店主が生まれ育ったのは、神奈川県です。
実家は田んぼに囲まれた静かな場所にあります。
海からは少し距離がありましたが、高校生の進路に悩んだ時、大学生の頃何かが足りない気がしていた時、一人になりたい時は、いつも海を見に行きました。
私は冬の海が好きで、夏に比べると濃い青色をした海を見ると、自分が抱えていたことが本当に小さく思えました。
潮風を浴びながら何時間も過ごすうちに、答えは出なくても「とりあえずやってみよう」と思える。
そんな力を、海からもらっていました。
その頃から、茅ヶ崎の海が好きでした。
なぜ茅ヶ崎でお店を始めたのか
お店を始めたいと思った時、その場所は茅ヶ崎でした。
海があるからだけではありません。
私が感じる茅ヶ崎の本当の魅力は、「人」なのです。
私が出会った茅ヶ崎の方々は、心が熱く、何かの思いを胸に持ち、家族や友達、関わる人を心から大切にする方々でした。
もし、結婚する意味や、人と関わる意味があやふやになってしまったら、ぜひ茅ヶ崎の方々と話してみてください。
きっと、美味しいお酒を紹介しながら、
「大丈夫だよ、やってみよう」
と、そっと励ましてくれると思います。
そんな、人の温度を感じる場所。
私にとって茅ヶ崎は、そういう土地です。
そして、それがこの土地で「土のかおり」を始めた理由のひとつです。
なぜ作家もののうつわ屋だったのか
子供の頃から食器が好きだったこともあります。
けれど、作家もののうつわ屋を始める大きなきっかけになったのは、陶芸家の生き方を垣間見たことでした。
うつわ作りを生業にされている方々は、時給換算や定時で帰るということとは、ほど遠い世界にいらっしゃいます。
焼き上がった作品を、より理想のものに近づけるために、土や釉薬、制作方法、焼成まで一つひとつ試し、調整していく。
その作業に終わりはありません。
作品ひとつをとっても、そこにかけた労力や時間、積み重ねてきた技術は、簡単に計算できるものではありません。
それでも作品に向き合い、形にしたいと日々手を動かしている。
私は、そんな陶芸家の姿を垣間見て、衝撃を受けました。
それまで何となく生きていて、こんなふうに何かに深く向き合っていなかったからです。
陶芸家の生き方に強く惹かれ、深い敬意を抱きました。
「土のかおり」を始めた理由
その思いから、丁寧に作られている作品や、その作り手のことをお伝えしたいと思い、「土のかおり」を始めました。
人が人を動かす時。
それは、心が動いた時ではないかと思っています。
うつわ屋を始めた私自身が、まさにそうでした。
陶芸家の作品と生き方が、私の人生を変えたのです。
土のかおりでは、店主が実際に使い、毎日使いたくなるような、強く惹かれた作品をご紹介しています。
全国各地の陶芸作家や窯元の工房を訪ね、作品が生まれる背景や、作家の想いに触れながら、その魅力をお伝えしています。
初めて作家もののうつわを選ぶ方にも、実際に日々の暮らしで使ってきた経験をもとにご紹介しています。
皆さまにも、ぜひ土のかおりの作品たちに触れていただけたら嬉しいです。
作品や茅ヶ崎の空気から、心に何か伝わるものがあればと思っています。
土のかおり 店主